生物学的視点2

 人間はおそらく、入力された感覚情報を頼りに考え、行動している。考えと行動の間に、解釈、想像が入り混んでくる。おそらく他の生物は想像という機能が弱いのではないだろうか。霊長類がどの程度人間に似ているのかは勉強不足でわからないが、少なくとも人類ほど複雑なことはしていないだろう。もし想像する機能がたかければ、生活様式は変化していくはずであるが、人間以外の生物はほぼ同じ生活様式を反復していると思われる。

この「想像力」なるものが人間特有であり、心の問題に大きく関与していると考えられる。人間の身近な生き物としてペットが存在しているが、彼らが明日や将来のために何かしているとは思えない。何度怒られても同じことを繰り返す。人間が勝手に感情移入して、少しでも環境を良くしてあげよう、苦痛を取り除いてあげようとするが、野良犬(今はいなくなったが)、野良猫がそれほど不幸だとは思えない。保護される方が嫌かもしれない。でも人間はかわいそうだと思ってしまう(そういう私もかわいそうと思って、何匹も野良猫を保護してきたし、保護された猫はたぶん野良のときより平和で幸せだよねと思ってるが)。彼らはよい生活をしようとか、長生きしようとか、明日のために今日を我慢して何か蓄積しようとかしない。今感じている苦痛からは何らかの方法で逃れようとするが、それは未来のためではない。人間は(人間だけだろう)、将来のために頑張れ、よりよくなるために我慢しろと教育されるが、自分の嫌なことを我慢して行う生き物など人間以外にいないだろう。

「どうして我慢しないのか、どうして努力しないのか、どうして先のことを考えないのか」などと言われることに一般的には何の疑問も感じない。できて当たりまえ、できないのは甘えだ、怠惰だと言われるが、冷静に考えればできる方が不思議なことなのだ。どうしてできないのかより、どうしてできるのだろうの方がまっとうな疑問であることを忘れてはいけない。


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